SEOは記事を検索上位に表示させるための施策です。サイト全体の評価も上がるためアクセス数も成約数も上がります。つまり儲かるわけです。
SEOの考え方やり方自体には、アダルトも非アダルトも本質的な違いはありません。違いは、アダルト系のサイトはSEOに疎いので、簡単な対策をしただけでも効果が大きいということです。
非アダルト系のアフィリエイトをしているサイトには、SEOに詳しい運営者がゴロゴロいるので、少しくらいSEOを頑張ったところで競合するサイトを追い越せず、たいした効果は望めません。アダルトの場合は、ほかのアダルトブログを一気に抜き去り、ごぼう抜き一等賞もあり得ます。
ただし、アダルト動画アフィリエイトの場合は、無料動画サイトという強豪がいます。アダルトブログで稼ぐには無料動画サイトとどう戦うか、その対策が重要なのですが、その脅威に言及しているブロガーは見かけません。
アダルトSEOは物販アフィリエイトのSEOとは違う
SEOというのは、検索エンジンから流入するアクセス数を増加させることが目的です。商品を売るサイトとしては、儲けに直結する転換率のいいキーワードでのアクセスが増えて欲しいのですが、ぜいたくも言っていられないので、とりあえずどんなキーワードでもいいので検索流入量を増やします。アクセスさえ増えれば、説得系記事や収益記事に誘導することで成約率を上げることができるからです。
そうした考え方をするときには、アダルト系商品のなかでもアクセスを集めやすいアダルトビデオのレビュー記事を中心に書いていくことになります。アダルトトイなどのグッズ系は、サイトが育ってから本格的なSEOを施すという方針です。当然記事は用意しますが、サイト内での誘導を基本とするのです。
アダルトビデオのレビュー記事にアクセスを集めるために施すSEOは、普通の物販アフィリエイトや一般的なブログ記事とは少し考え方を変えたいところです。というのは、アダルトビデオというのは、分割できるエロシーンの集合体だからです。
XVIDEOS.COMや動画エロタレストにあるのは、作品一本の長尺ビデオではなく作品の細切れシーンがほとんどですが、大変な人気があります。そして当然、その細切れシーンを表しているキーワードで集客していることになります。つまり、エロ動画はひとつの動画を数多くのシーンに分割でき、それぞれが集客の主体になっているのです。
ですから、アダルト動画作品単体のレビューを書くときには、作品全体の評価とともに分割できるシーンも重視した方がいいのです。分割したシーンはそれ自体に集客力があるので、それを独立したコンテンツとして扱いそこにもSEOを施します。当然、演じている女優さんにも集客力があるので、独立したコンテンツとして扱いSEOの対象にします。
具体的にどうやってSEOの対象にするのかというと、同じシーンや似たシーンをまとめてひとつの記事にするのです。女優さんは女優名や出演カテゴリーなどの属性で切り分け、それもひとつの記事にします。そして、レビュー記事の内部からその記事にリンクを張ります。必要なときは、その逆にもリンクを設定します。
つまりこれは、内部リンクを増やすためのSEOです。と同時に、サイトのコンテンツを詳細に分割し、2次利用3次利用することで、外部からの効果的な流入を図るSEOにしています。
物販アフィリエイトの経験があると、ビジターの誘導先はショップにしたくなります。その方が効果的に商品が売れていくからです。でも、アダルトアフィリエイトの場合は、送客をしても売れないことも多いです。少なくとも物販のようには売れません。
であれば、目の前の利益より将来の利益を重視して、サイトへの流入量を増加させることを優先してもいいのです。そのためには、外部に向かうリンクより内部へ向かうリンクを重視した方がいい。SEOでもっとも効果的なのは被リンクをもらうことですが、そこはコントロールが難しいので、自分で100%制御可能な内部リンクを重視するわけです。
SEOで重要な要素はキーワードとリンクですから、常に「このキーワードでいいか?」「このリンクでいいか?」「ここにリンクしていいか?」「ほかに効果的なリンクはないか?」と考えながら記事を書いていくことが重要です。漫然とリンクを設定してしまうのはSEOを放棄しているようなものなので、意識的に実行する必要があります。
こうしたSEO施策をするには、記事を書き上げていく前に、将来できあがるサイトの全体構造が頭に入っている必要があります。また、分割したシーンがある程度たまるまでは、記事として公開できる文章量にならないコンテンツが多数生まれます。そのため、WordPressだけで記事を書いていくのは現実的ではありません。できればデータベースのような記事蓄積ソフトが欲しいところです。筆者はEvernoteを利用しています。
アダルトSEOの対象キーワードと競合
アダルトアフィリエイトのSEOを考えたとき、最も強くてやっかいな存在は無料動画サイトです。登録されている無料動画の数が膨大で被リンクも多いため、個人のアダルトブログは太刀打ちできません。ほとんどのアダルト動画キーワードで、個人サイトが負けます。最近では、FANZA、DMM、DUGAでも負けている始末です。
アダルト動画のキーワードには、作品名、ジャンル、プレイ名、シチュエーション、女優名、レーベルなどがあります。こうしたキーワードの場合、単独では無料動画サイトには勝てません。2語程度の複合キーワードでも、アダルト系の無料動画サイトに勝つのは難しいのです。
「アダルトアフィリエイトのキーワード戦略」といったテーマで記事を書くとき、ビッグキーワード、ミドルキーワード、スモールキーワードなどといった話題から入る人は、あまりアダルト系のアフィリエイトをしたことがないか、もしかしたら雲上の達人です。一般アフィリエイトでおなじみのロングテールキーワードをタイトルにした記事でも上位を取るのは難しいのがアダルト動画のアフィリエイトだからです。
一般アフィリエイトでは上位表示しやすいといわれる商標キーワードでさえ、アダルトでは難しいのです。原因は、キーワードの種類が少ない割に、競合するサイトの数が多いからです。そのうえ、中国系の無料動画サイトが大量のコピー動画(長尺もの、作品まるまる一本を数万本。しかも、人気作品先取りで、新作DVDをまるごとコピーして完全無料)を配信し始めたので、FANZAやDUGAが作品名でも負けだしているという現実があります。
というような現状を理解したとき、ほとんどの人は「個人のアダルトブログで稼ぐのは、もう無理なんじゃないの?どんなキーワードでも上位表示は難しそうだし」と思ってしまうことでしょう。実際、これまでアダルト動画でかなり稼いできたサイトが、中国系アダルト無料動画サイトの影響でガクンと稼げなくなっています。もう撤退しようと考えているサイトもあるとか。しかしこれは、単ページ、ひとつの記事だけで競争した場合の話です。SEOには、ほかにもやり方があります。
SEOで目指すもの、期待するものは、検索エンジンから運営サイトへ流入する想定顧客の増加です。運営するアダルトブログが儲かる想定顧客層が、今よりたくさん訪れてくれればいいわけです。そのためにSEOを実施します。サイトへの流入が多くなればいいのです。意図した記事への流入ではありません。ここを間違えるとアダルトブログでは稼げません。
何か特別な意図があってサイトを設計する場合は別ですが、アダルトブログのコンテンツは同じようなものになります。同じサイトの中では、どの記事を取り上げても違いはありません。出会い系や恋愛系の情報商材を扱っていても、別の記事にリンクで誘導するのに苦慮することはありません。物販サイトではそうはいきません。
個別記事へのアクセスをほかに回しやすいアダルトブログの場合は、サイト全体でトータルとしての顧客流入量が増えればいいので、個別の記事を重視するのではなく、カテゴリーやタグからの顧客流入も重視します。といっても、カテゴリーやタグを単体で考えるのは、記事単体でSEOを考えるのと同じなので意味がありません。記事とカテゴリー、タグをセットで考えます。
(——————- ここから続き。2022年12月27日 ——————-)
ここまでは、外部からの流入を増やすために施す内部SEOについて、アダルト動画の特性を考慮した、効果的なコンテンツの利用とサイト構造について説明しました。
次は、誰が解説しても同じような説明になる、記事の構成にかかわるSEOについて解説します。「目次を作れ」とか「滞在時間を延ばせ」とかですね。
つづく